今回の会話では、ベルリンからのゲスト、高田ゲンキさんが登場しました。彼はフリーランスのイラストレーターや漫画家として活動しており、家族との移住経験について率直に語ってくれました。移住に至るまでの経験として、自身の生い立ちから初めての海外経験、その経験を通じて労働に対する考え方の変化などに触れながら、実際に移住を計画して実行に移すまでの経験を語ってくれました。初期に計画していたのはカナダだったけれど、ビザ取得が叶わず結果としてドイツにきた経験にも触れました。
さらに、移住してからの生活や日本からの仕事・クライアントをうまく引き継ぎ、さらに現地での仕事にも拡張していく経験も共有していただき、特にフリーランスで海外移住したい人の一つのロールモデルにもなるお話で、海外移住したい人にはとても参考になる内容になったと思います。
さらに、高田さんは海外で育児を経験したいとの考えを持っており、実際の育児経験についても詳しく話してくれました。大変な苦労をしながらもなんとか生活を維持していく逞しさを感じました。
高田ゲンキさんはフリーランスとして独立し、漫画家として成功を収めた過程についても言及しています。人気を博したフリーランス生活をテーマにした漫画や、家族や育児に関する試練、ファン獲得の重要性やビジネスの厳しさなどについて率直に語っています。苦労や努力が成功につながった興味深いストーリーであり、全体を通して、ゲストの豊かな経験や洞察が多くの示唆を与えてくれました。最後は日本人の国民性の話に触れながら、話は後半に続きます。
ゲスト:
ドイツ・ベルリン在住12年目 イラストレーター/漫画家 高田 ゲンキ
- 1976年生 47歳 神奈川県出身 ベルリン在住。職業はイラストレーター/漫画家(他に書籍執筆、YouTuber、オンライン講師等多数)。
- 2000年:東海大学文学部文明学科卒。大学ではインドの文明学・文化人類学を専攻し、卒論のテーマは『東洋と西洋の死生観の比較』(その年の学科内最高の評価を得る)。
- 2001年:インド放浪の旅
〜2002年:5年越しでプロミュージシャンを目指して活動するも、メジャーデビュー直前でバンドが崩壊して挫折
- 2002〜2004年:デザイナー(DTP)として会社員生活を送る
- 2004年2月:退職。フリーランスイラストレーターとして独立(以降、今日に至るまで20年間継続)
- 2007年:結婚
- 2012年:ドイツ・ベルリンに移住- 2016年:ベルリンで長男が誕生- 2018年:初の著書『フリーランスで行こう!』を出版
- 2019年、2冊目の著書『世界一やさしい フリーランスの教科書 1年生』を出版ドイツ(EU圏)永住権獲得
- 2021年、YouTubeチャンネル「Genki STUDIO」スタート https://www.youtube.com/@genkistudio
- 2023年、Adobe Community Expert就任
X(Twitter) : https://x.com/Genki119
YouTube(Adobe Illustrator): https://www.youtube.com/@genkistudio
YouTube(サブチャンネル): https://www.youtube.com/@takata-genki
Instagram: https://www.instagram.com/genkitakata/
ゲストQ&A
移住全般について
- 移住先はどこですか?
- ドイツ・ベルリン
- その場所を選んだ理由はなんですか?
- ・多様性豊か
・将来的に子どもの教育に適していた
・フリーランスクリエイターの働き方を維持したままビザ取得が可能
・寒い(夫婦とも暑い場所が苦手)
・割と英語が通じる
・移住当時(2012年)は物価が安かった - いつから移住先に住んでいますか?
- 2012年12月頃
- いつまで移住先に住む予定・住んでいましたか?
- 未定。特に状況が変わらなければ、ずっといる可能性が高い
- いままでの海外遍歴を教えてください
- 2001年:インド2ヶ月ひとり旅(初海外)
2005年:オーストラリア
2005年:ベトナム(トランジットで1日だけ) 2012年:ドイツ(初欧州・移住)
2013年:スウェーデン(旅行)
2014年:スペイン・バルセロナ(旅行)
2015年・2024年:オーストリア(旅行) - 移住前の英語・現地語のレベルはどうでしたか?どうやって勉強しましたか?
- 移住前の語学力
英語:生活や事務的なコミュニケーションができるレベル。35歳まで英語全く話せなかったけど、ベルリンの前にカナダ移住したかったので1年間オンライン英会話で必死に勉強した。 ドイツ語は全く分からなかった。「ベルリンは英語で生活できる」という噂を信じて来たら全然通じない店も多く、ドラッグストアの商品も英語表記が無いものが多く(その割に欧州のもっとマイナーな言語表記は複数あったりする)、Seife(石鹸)すら知らなかったので石鹸を買いに行ったのにアルコール除菌液を間違えて買ったりしてた。 その後、ドイツ語は学校に通ったり独習したり…で生活できるレベルにはなったけど(B1相当程度)、12年住んでる割には全く上達していないと言える。 - なぜ海外に移住したかったんですか?
- 日本が合わなかったから。子どもの頃から協調性がなく、同質的な日本社会の中では、どのコミュニティでも馴染めず浮く存在。そのため幼稚園から高校まで全てイジメを受ける。 同じ環境で育児をしたくなかったので、多様性があり教育水準が高い国に移住したいと考えていた。
- どうやって移住を実現しましたか?
- アーティストビザ→数回更新ののち永住権
- 海外移住してよかったことはなんですか?
- ・望んだ環境で育児できている
・海外の仕事もできる
・視野が広がる(文化・経済)
・日々刺激を受けるので創作意欲が高まる - 海外移住して大変なことはなんですか?
- ・言語の壁
・食事が美味しくない(日本が美味しすぎる) - 将来的に他の国への移住も考えていますか?また、それはどうしてですか?
- 現時点では考えていない。ドイツの他の街に住むかもしれないが、それも可能性が低い。現実的にはベルリンに居続けるか、日本に本帰国するか、の二択になると思う。
仕事について
- いまの職業は何ですか?
- イラストレーター/漫画家/YouTuber、他
- 職業の種類を教えて下さい
- フリーランス(クライアントは日本国内)
- どうやってその仕事を見つけましたか?
- 移住前からやっていたことの継続
- 海外で働いてみてよかったことはなんですか?
- 海外マーケットにも目が向き、日本以外のクライアントとも繋がれる
- 海外で働いてみて大変なことはなんですか?
- 言語や商習慣の違い
- 日本でやってきたことで、海外でも役に立ったと感じる経験やスキルがあれば教えて下さい
- 全て(イラストや漫画制作/Adobe Illustratorのスキル/デザインスキル)
- 逆に、日本でやってきたことで、海外では役に立たなかったと感じる経験やスキルがあれば教えて下さい
- なし
- 海外でキャリアを構築する上で特に意識していることがあれば教えて下さい
- 海外でイチからキャリア形成するのも良いが、日本マーケット発でも尖りまくってトップの一握りになれればそこから海外に繫がることも多いので、専門や方向性が明確な人はそっちがおすすめかも。
- 将来的に日本に帰国し働くことも考えていますか?
- 考えている。気分的にはもう日本に住みたいくらい。でもベルリンもまだまだ楽しいし、子どもの教育環境としては今非常に良い感じなので当面はベルリンにいる予定。
子育てについて
- 海外で出産しましたか?
- はい
- 海外での出産ではどうでしたか?
- 色々大変だったけど、総じてベルリンで出産して良かったと思っている(ただし日本での出産経験は無いので比較はできない)。
- 子供の人数と年齢を教えてください
- 7歳の息子(現地の小学一年生)
- 海外での子育てについて、どのように感じていますか?
- 多様性があって良い