前回に引き続きロシア出身のクセニヤさんをお迎えし、「名前」と「アイデンティティ」、そして「子どものころの移住体験」について深く語っていただきました。
クセニヤさんの話は、「名前」というとてもパーソナルなテーマから始まります。日本語で書くと「くせにあ」と読まれてしまう名前にまつわる、ちょっと切なく、でもユーモアのあるエピソード。そしてそこから派生して、ローマ字表記が政府によって突然統一されたロシア国内の事情、日本で暮らす中での公的書類との表記ズレといった、「名前が変わる/変えられる」ことによる違和感や混乱についてもお話いただきました。
さらに話は、クセニヤさんが7歳の時に家族とともに旧ソ連から日本に移住したときの記憶へ。言葉もわからず、周囲に頼れる人もいないなか、小学校1年生として日本での生活を始めたクセニヤさん。最初は苦労が絶えなかったものの、「本を読みたい一心で」家族がロシア語を話す中、日本語を日本の学校教育で身につけていったというエピソードには、聞き手の私たちも思わず胸が熱くなりました。
子どもとして、外国人として、そして“家族内通訳”という立場で育った彼女の語りからは、「移民第2世代」のリアルな視点と、それでも前に進んできた力強さがにじみ出ています。
今を生きる私たちにとって、「名前」や「言葉」、「文化の境界線」とどう向き合っていくか——見所です、是非聞いてください。
リスナーのみなさまからクセニヤさんに「こんなことが聞きたい!」という希望を募りたいと思いますので、フィードバックフォームからのご連絡お待ちしています! https://kaigaiiju.ch/feedbacks/new

ゲスト:
関西育ちのロシア人 会社経営&博士課程中 クセニヤ
日本の関西で育ったロシア人です。ビジネスとアカデミア、2つを同時に進めています。アカデミアでは、ベルリン自由大学で修士号を取得後、東京大学大学院の教育社会学修士課程を修了し、現在は同大学で博士課程に在籍しています。研究テーマは、日本における移民第二世代を対象に、文化資本の観点から彼らの教育達成と職歴形成を分析しています。ビジネスでは、商社→GAFA→今は日本において通訳ガイド手配の会社を経営しています。女性のエンパワーメント、事業開発、異文化コミュニケーションの分野に特に関心があります。
ゲストQ&A
移住全般について
- 移住先はどこですか・どこでしたか?
- ロシア・モスクワ / ハンガリー・ブダベスト / ドイツ・ベルリン
- その場所を選んだ理由はなんですか?
- ヨーロッパのシリコン・バレーということで旦那のしごとのために育休を使って移住。その前は私のしごと(海外駐在)のために二人でハンガリーに移住
- いつから移住先に住んでいますか・いましたか?
- 2016年9月頃
- いつまで移住先に住む予定・住んでいましたか?
- 2018年5月まで住んでいました。
- いままでの海外遍歴を教えてください
- 大学時時代:モスクワ留学(1年)、モスクワ海外研修(半年)、ハンガリー駐在(2年)、ベルリン(2年)。旅行は数えられないぐらい。昨年は東大の授業で1週間スタンフォード大学を訪問し授業を受けた。
- 移住前の英語・現地語のレベルはどうでしたか?どうやって勉強しましたか?
- ロシア語:ネイティブレベル、英語:ビジネスレベル、ハンガリー語とドイツ語は日常のワードを20-30単語ほど
- なぜ海外に移住したかったんですか?
- 海外との仕事をしたいと思っており、実際にしていた
- どうやって移住を実現しましたか?
- 学校がアレンジもしくは会社がアレンジ。旦那の場合はベルリンで先に就職先が確定してそこがビザのアレンジ。
- 海外移住してよかったことはなんですか?
- 海外の暮らしが大好き。他の国の文化を知ることが大好き。
- 海外移住して大変なことはなんですか?
- 子育て
- 将来的に他の国への移住も考えていますか?また、それはどうしてですか?
- まだどこかは決めていないが、いずれまた海外に住みたい
仕事について
- 職業は何ですか・何でしたか?
- 事業開発・社長補佐(ハンガリー)、修士課程の学生(ドイツ)
- 職業の種類を教えて下さい
- 駐在
- どうやってその仕事を見つけましたか?
- 駐在
- 海外で働いてみてよかったことはなんですか?
- 海外チームで働くのが楽しかった
- 海外で働いてみて大変なことはなんですか?
- 特になし(日本のほうがいろいろ大変)
- 日本でやってきたことで、海外でも役に立ったと感じる経験やスキルがあれば教えて下さい
- プロジェクトマネージメント・チームマネージメント
- 逆に、日本でやってきたことで、海外では役に立たなかったと感じる経験やスキルがあれば教えて下さい
- 日本と連携する職だったので、日本でやってきたことも重要
子育てについて
- 海外で出産しましたか?
- はい
- 海外での出産ではどうでしたか?
- 日本よりよかった!
- 子供の人数と年齢を教えてください
- ほぼ8歳とほぼ9歳
- 海外での子育てについて、どのように感じていますか?
- 大変だった(友人作り、サポートなど。言語ができない中で情報を得ることが難しかった)
学校について
- どういう学校に通っている・いましたか?
- ベルリン自由大学
- 何を勉強していますか・いましたか?
- East European Studies
- なぜ海外で学校に通うことにしたんですか?
- 旦那の海外勤務に帯同する中でその時間を有益に使い、以前から興味のあった修士号を取得しようと思ったから
- 海外で学校に通うことでよかったことはなんですか?
- 日本では勉強できない分野となかなか受講できない教授陣だった
- 海外で学校に通うことで大変なことはなんですか?
- 友人がなかなかできない(オンライン中心だったこともあり)